国立天文台水沢VLBI観測所【奥州市の名所紹介】
岩手県奥州市水沢星ガ丘町にある国立天文台水沢VLBI観測所
そのシンボルである20m電波望遠鏡
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かつては緯度観測所だった
緯度観測所本館(現在は奥州宇宙遊学館として公開されています)
明治31年(1898)に国際測地学協会総会で当時世界で問題となっていた極運動(北極と南極の位置が動く)を解明すべく、世界に6箇所、北緯39度8分の線上に観測所を設置することとなり、日本ではここ水沢に観測所が置かれる事になりました。
これが緯度観測所です。
明治32年(1899)に開所して以来、緯度・経度の観測に加え、総合的な天文学研究を行ってきました。
初代観測所長の木村榮(ひさし)博士は、当時は謎であった極運動の奇妙な変化を解くための方程式に新たに変数Zを加えることで解明の糸口を見つけました。
後に「Z項」と呼ばれる大発見でした。
このような偉業を積み重ね、現在は国立天文台水沢VLBI観測所として銀河系の三次元立体地図を作成するVERAプロジェクトや、月の重力場や地形を詳細に調べるRISE計画などに取り組んでいます。
昼間は自由に見学することができる
広いキャンパスは年末年始を除きAM9:00~PM5:00まで自由に見学することが出来ます。
前出の奥州宇宙遊学館や木村榮記念館なども見ものですが、
20m電波望遠鏡のパラボラアンテナ
近くで見るとその大きさに圧倒されます!
この巨大構造物が唸りを上げて回転し、パラボラが天を振り仰ぐさまは壮観!
運良く動いているところを見ることが出来ました。
感動モノです。
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夜のパラボラアンテナ
夜間観測時には低圧ナトリウムランプのオレンジの光が照射されます。
残念ながらオレンジに染まったアンテナの写真は無し(゚´Д`゚)
その代わり2017年の3月に夜間ライトアップされた時の写真をどうぞ。
この時はオレンジ色ではなく緑色にライトアップされました。
ブラックホールの撮影に貢献するも・・・
ブラックホールシャドウの画像(国立天文台HP)
世界初のブラックホールシャドウの撮影に成功!
大きな話題になりましたね。
水沢の電波望遠鏡はイベント・ホライズン・テレスコープに含まれてはいませんが、水沢観測所の本間希樹所長は日本の研究者の代表として、2019年4月に世界初のブラックホールの画像直接撮影に成功した国際プロジェクトの一端を担いました。
ハワイや南米、南極などに設置された電波望遠鏡が協力する国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」が、5500万光年彼方の銀河の中心に存在する超大質量ブラックホールを撮影することに成功した。
2020年のノーベル物理学賞
地元紙でも大きな話題となりました。
しかしながら
国立天文台は予算削減をはかり、水沢観測所が大ピンチに。
今回は何とか予算措置が講じられた模様で一安心しましたが、このままでは研究続行に支障をきたしてしまいます。
銀河系の三次元立体地図を作ることを目的にしている「VERAプロジェクト」
その意義を皆さんにも知っていただきたいです!
地元ならではの支援策
地元でも電波望遠鏡の継続運用を求める署名活動が行われ、その動きは県内から全国へ広まりを見せています。
また、地元ならではの、ちょっと変わった支援策を紹介します
奥州ブラックホールプロジェクト
お菓子を通じて、地域振興と天文台の応援をするのです
見かけたときにはぜひお手にとっていただきたいです!
また、奥州宇宙遊学館では定期的に観測会やイベントを開いています。
天文に興味のある方!
ぜひ一度足を運んでみてください!!
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