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【使いこなし】平面研削盤の砥石、交換したら必ずバランス調整しましょう!

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機械部品を製作するうえで重要な平面を精密に仕上げる機械が平面研削盤です。

砥石は使えば減っていきますからいずれは交換しなくてはなりません。

そして、砥石交換時には必ずバランス調整をしましょう!

面の仕上がりと機械の寿命に影響しますよ!?

 

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平面研削盤とは?

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ウチで使っているのは岡本工作機械製作所の平研PSG64SA1

 

精密な部品には高精度な平面が必要です。

焼入品ならなおのこと。

そんな時に使うのが平面研削盤です。

 

回転する砥石で部品の表面を削る機械です。

砥石は非常に硬い砥粒を成型して焼き固めたもので、加工物の表面を無数の切れ刃(砥粒)が少しづつ削っていくため比較的容易に精度の良い平面を得ることができます。

 

比較的容易に・・・というところが曲者なんですけど。

 

やり方によっては全然ダメ!

ってこともあるし、高精度を求めればそれなりにやり方ってものが有る訳で。

それは別の機会に譲るとして、今回は平研の使いこなしで最も基本となるバランス取りについてお話します。

 

ちなみに、普通の焼結砥石についてですよ。

ボラゾンホイールやダイヤモンドホイールはやり方が異なるのでまた今度。

 

 

砥石はもともとアンバランス

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砥石フランジに付けたばかりの新品砥石は振れ取り後にバランス取りをする

 

砥石は砥粒を成型して焼き固めたものです。

メーカーは十分注意して製作しているのですが、瀬戸物などと同じ焼き物ですので形状や密度にばらつきが生じます。

 

平研はその砥石を回転させて加工するのですから、回転体の重心にずれがあると・・・

その軸は振動してしまうのです。

 

研磨は振動との戦いと言っても過言ではありません

加工時以外の振動は極力ゼロになるようにしないといけません。

 

なんで振動しちゃいけないの?って

 

数ミクロンの精度を求める場合に砥石が振動していると、その振動がモロに加工面の精度と仕上がりを悪くしてしまうから。

 

寸法が思ったように追い込めなかったり、仕上げ面がビレたり、頻繁にドレスをしなければならなくなり砥石の寿命が短くなったり、ひいては機械のスピンドルにダメージを与えてしまう事に。

 

本のひと手間を惜しむと恐ろしいことになるんだぜ~

 

砥石のバランス取り

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岡本工作機械のバランサー 高感度な天秤式で静バランス取りができます

 

砥石のバランス取りには2種類の方法があります。

静バランス動バランス

 

ウチでやれるのは静バランス(写真)のほう。

ほんとはスピンドルも含めた回転系全体のバランスを取る動バランス取りが良いのだけれど、専用のバランサー(高価)が必要だったり、オートバランサー内蔵の機械(とても高価)が必要(;´Д`);

 

動バランサーについては岡本工作機械のYoutubeチャンネルに動画が載っていたのでここに貼っておきます

 

 

いいな~オートバランサー

ないものねだりしてもしょうがないので、今ある天秤式でゼロバランスめざしましょう!!

バランス取りは砥石交換から振れ取りまで工程は一緒なので動画も参考にしてみてください。

 

 

以下に砥石交換と静バランス取りの要領を書きます。

ご参考になれば幸いです。

 

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砥石交換

1.機械の主軸からスピンドルナット(左ネジ)を外し、フランジ抜きを締めこんで砥石フランジを抜く。

砥石は正面から見て時計回りに回転するので締め付けるナットは左ネジになっています。これは、砥石が回転する時にナットが緩まないようにするため。いつものように反時計回りで締めようとしても緩まないよ~

ただし、機械によっては逆回転の場合もあるのでご注意を。

それから砥石は重いので、スピンドルのテーパーを傷つけないように注意して外しましょう!

 

2.ボルトを緩めて砥石フランジを外し、きれいに掃除する。

3.新しい砥石の打音検査をする。

砥石をフランジに取り付ける前に打音検査をしましょう。砥石にひび割れが無いか確かめるためです。

もしひびが入った状態でフランジに取り付け回しちゃったら・・・目の前で砥石が割れて飛び散り・・・機械が壊れ作業者は大怪我!!

事故を未然に防ぐために必ず、確実に実施しましょう。

 

4.砥石をフランジに取り付ける。

砥石に貼ってあるラベルを剥がしてはいけません。そのままフランジに装着します。

焼き物であることを忘れてはいけません。”転がすな、落とすな、ぶつけるな”の三原則を守ることが肝要です。

砥石フランジのネジは適正なトルクで確実に締めましょう。

 

5.砥石の外周振れ取りをする

砥石をスピンドルに取り付け、まずは3分間ほど回転します。もし砥石にひび割れがあれば、この間に何かしらの不具合が起こるはず。

異常な振動が起きたり、最悪砥石が割れたり。

から回しがOKなら手動でドレスをします。

最初は断続的なドレス音ですが、連続したドレス音に変われば外周の振れ取りは終了。

クーラントを切ってもすぐに砥石の回転は止めずに、数分間から回しして水気を切ってから砥石を外します。

 

 

 

 

バランス取り

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1.バランサーを安定した台の上に置き、水平を調整した後天秤のメモリが中央になるように調整する

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2.砥石フランジにバランサー専用のマンドレルを装着し天秤に乗せる

3.砥石を回転させて天秤が中央にバランスする位置を探る

天秤の目盛が中央にバランスした時、砥石の頂点が最も軽い部分となります。

そこにマーカーで印をつけて置きましょう。

 

4.マークした位置が三角の頂点となるようにバランスピースを3個砥石フランジに装着する

5.天秤の目盛を見ながら頂点以外のバランスピース2個を移動させて天秤が中央にバランスするように調整する

これが厄介で難しいのですが、慣れですよね。うまくバランスしても砥石を回転するとずれたり。どの位置でも目盛が中央でバランスするのが理想です。でもね・・・ダメなときはある程度妥協も必要かと

 

手順としては以上です。

 

 

補足

しばらく使ったらまたバランスを見てみましょう。

砥石が小さくなっていくとバランスも崩れていきます。

 

面精度が出なくなったり、思い通りに寸法が仕上がらなくなったら要チェックです!

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