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東京カテドラル聖マリア大聖堂で聞いたプロカンの歌うバードの3声のミサについて

2020年1月4日

今からもう40年も前の話。

大学に入ってから、なぜか引きずり込まれてしまったグリークラブ(男声合唱団)にすっかりハマってしまう出来事があった。
偶然行くことになったイギリスの合唱団、プロ・カンティオーネ・アンティクァのコンサートがそれである。

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会場は東京カテドラル聖マリア大聖堂

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出典:flicker.com

当時(今でもかもしれないが)文京区は良い意味田舎で静かなところだと思った。
しかしこの建物は!
田舎な所に何とモダンな!
上空から見ると十字架の形をしているそうだ。
まあ、東京なのでそれほど驚くことでも無いか。

今でこそ何者か判るが、丹下健三さんの作品だそうである。

外装はステンレス貼り、内装は素っ気ないコンクリート打ちっ放し。
無機質感この上ないが、極上にかっこいい!!

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出典:flicker.com

ものすごく高い天井高とコンクリートの壁なので残響がとても長い。
「ぽん」
と手ばたきをすればいつまででも響いているような感じ。
圧倒的なエアボリュームを感じる。

この祭壇をステージとしてこれから行なわれるのはイギリスの合唱団、プロ・カンティオーネ・アンティクァのコンサートである。
グリーの先輩にチケットあるから行かないか?
と誘われ仕方なしに来たコンサートなのだが場所が特殊なこともあり何だかワクワクしてきた。

 

演目はW.バードの「3声のミサ」

正直、これしか覚えていない。
というか、圧倒的な印象だったのだ。

当時、グリーで練習していたのは奇しくもバードの「3声のミサ」だった。
そこにこのコンサートである。
偶然というのは恐ろしいね・・・
ただ付いて行っただけのコンサートなのに、一生の思い出になるなんだから。

バードと3声のミサについて少し。

ウィリアム・バードはルネサンス期を代表するイギリスの作曲家で、ラテン語によるモテットやミサ曲を多く手がけている。
中でもこの「3声のミサ」は最高傑作とも称され、テノールとバス、それにカウンターテノールというウラ声で歌うパートを加えた3声部で構成されている。
ポリフォニーというそれぞれの声部が独立した旋律を歌い、絡み合ったりうねりあったり、時にはぶつかり合ったりして音楽が出来上がっていく。

テキストはラテン語で、ミサの通常文から
kyrie、gloria、credo、sanctus、benedictus、agnus dei の6曲で構成されている。
バードは3声のミサ、4声のミサ、5声のミサをそれぞれ作曲していて、いずれも素晴らしいポリフォニー音楽である。

3声のミサは声部が3つしか無く構成はシンプルなのだが、それ故に生み出されるハーモニーはぶつかる和音であっても濁りの無い至高の響きをまとうことが出来るのだと思う。男性合唱でバードの3声のミサを歌い、一度でも天国のハーモニーを経験したならその魅力にきっと取憑かれるはず。

4声、5声のミサで上2声部をを女性が歌う事もあるのだが、響きの美しさという点ではやはり男性合唱で歌われる3声のミサには叶わないと思う。

 

さて、肝心の演奏はというと

ステージには確か6人??のメンバーが上がっていたと思う。
古い話なのではっきりとは覚えていない・・・

でも1曲目、kyrie が始まった途端、僕の心はわしづかみにされてしまった。

ものすごく高いホールの天井からキラキラと音が降ってくるのである。
そう。
まさに降ってくる!

少ない人数ながら良く通るベースの上に軽やかにテノールが乗り、さらに天井からカウンターテノールのきらめく響きが降り注ぐ。
比べるのもおこがましいが、僕が歌ったのではただぼーっと音がするだけ・・・

素晴らしい!!

震えるような感動!!

2曲目、gloria
kyrie とは対照的に旋律がうねる、弾む。
ああ、楽しい。

3曲目、credo
長い長い credo テンポやメロディーラインの変化も美しい。ただ、長い・・・

4曲目、sanctus
sanctusというテキストが静かに重なっていき一つになり、テキストの切り替わりで展開が変わる。ドラマティックな演奏。

5曲目、benedictus
sanctus と同じような曲調ながら短いのですぐ終わってしまった。

6曲目、agnus dei
終曲はミドルテンポで大きな展開は起こらないのだけれど、パートの対比がとても美しく重なり合い響き合い、静かに消えていく。

ん?
演奏の感想では無く曲の感想になってる?

まあ、しょうがないか。
40年前の演奏を昨日のようには思い出せないし。

ただ一つだけ言えるのは、最初にも言ったとおり「音が降ってくる!」
この一言に尽きる。
この体験が以降、僕を合唱に結びつけているのだ。

 

演奏が終わって・・・

アンコールで何やったとか全く覚えてはいないのだが、感動を胸に帰路についたのは覚えている。
帰りの電車の中、さっきの演奏を思い出しつつ kyrie を(頭の中で)反芻した。

翌日、グリーの練習の時に一緒にコンサートに行った部長のGさん達がこんなことを話していた。
「コンサートの後、ステージ前でプロカンと一緒に kyrie 歌っちった!」

なんてこった!!

僕も歌いたかったぞ・・・
kyrie だけならもうその時には覚えていたんだよぉ・・・

今は昔の、おはなし。

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僕が所有しているプロカンのLPレコード
大学3年の時にはタリスの「エレミアの哀歌」を歌ったなぁ

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