Zホール開館30周年記念!オペラ「トスカ」に見たあり得ないほど贅沢な時間について

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オペラ「トスカ」のカーテンコール
オペラ「トスカ」のカーテンコール

Zホール開館30周年記念 オペラ「トスカ」公演
2022年7月31日(日) 奥州市文化会館Zホール大ホールにて

地方の小さな町で上演されたオペラ「トスカ」について、出演できず悔しい思いをしたからこそ感じる事ができた「あり得ないほど贅沢な時間」について書いてみます。

目次

Zホール開館30周年記念事業

トスカフライヤー
トスカフライヤー

ここは岩手県奥州市。地方の小さな町なのですが、ここの文化会館Zホールは5年毎に開館記念事業としてすごい事をやってしまいます!

開館記念でフルオケ付きの第九をやったし、20周年ではオペラ「椿姫」、25周年ではオペラ「ラ・ボエーム」をオケ付きで上演しました。

そして!!

開館30周年記念事業は オペラ「トスカ」公演 です。

オケ付きで3幕フル
出演者は超一流!!

それに加え、地元の子供達と市民有志が合唱団として参加し舞台を作り上げるのです!!!
(「椿姫」「ラ・ボエーム」もそうでした。懐かしい~)

今回はコロナ禍での大規模公演なので開催には大変な苦労があったはずです。まずは無事に公演が行なわれ、大成功を収めた事に敬意と感謝を申し上げますm(__)m

奥州市でオペラが上演できるワケ

地方でオケ付きのオペラを観劇できるチャンスはそうそう有りません。
盛岡ならまだしも、奥州市では・・・

ではなぜ奥州市では連続してオペラを上演できるのか

藤原歌劇団にとても太いパイプがあるから

藤原歌劇団合唱名誉指揮者である及川貢先生がここ奥州市出身で、奥州市文化振興財団の理事も務めていらっしゃる。
更に過去のオペラ公演で全て主役を務めて頂いたオペラ歌手の福井敬さんも奥州市出身!!

ここからすでに非日常な特別感が漂ってきますね。

及川先生がオペラの合唱を指導してくださる事も大きなポイント。市民合唱団は合唱経験者のみならず初めて歌う!って人も結構いるのですが、及川先生は厳しくも懇切丁寧に発音から音楽の作り方まできっちり指導してくれます。途中でくじけそうになっても、及川先生のため、オペラのためにとみんなで支え合い素敵な合唱団に育っていくのです。

プライムミュージックで音楽三昧

出演者が凄い!!

出演者は日本のオペラ界をリードする超一流のソリスト達(*゚ロ゚)!!
コレ見て↓

トスカ:野田ヒロ子 藤原歌劇団/岩手県盛岡市出身
カヴァラドッシ:福井敬 二期会/岩手県奥州市出身
スカルピア  :須藤慎吾 藤原歌劇団

主要な3人だけ見てもすごいでしょ!?
脇を固める人たちも藤原歌劇団のより抜きメンバー
しかも福井敬さんは日本オペラ界のトップソリスト

ああ!何て素晴らしい!!

ついでに言うなれば
福井敬さんは私の中学高校の同級生
弓道部だった私が弓道場で稽古していた時、彼はすぐ隣の吹奏楽部でトロンボーンを吹いていました。
そんな彼が国立音大の声楽科に行き、今では超一流のオペラ歌手!

さて、出演者だけ見ても非日常的特別感たっぷりのこの公演ですが、オーケストラは若手中心ながら確かな演奏に定評のある

テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ

会館25周年「ラ・ボエーム」以来2度目~♪
「トスカ」でも素晴らしい演奏に期待が高まります(∩´∀`)∩♪

今回は観客としてオペラに参加・・・

「トスカ」のパンフ。ここに私はいません・・・
「トスカ」のパンフ。ここに私はいません・・・

私はZホールの周年事業に(前回までは)出演者として参加してきたのですが、今回はコロナのため泣く泣く出演は断念し観客として参加致しました。

地元の合唱団員である私は、当然のように公演がある度にお声がかかり、当然のように参加していたワケで・・・オペラの登場人物である事がごく普通のように感じていました。

しかし今回、観客となって初めて分かりました!

オペラに出演するという事がいかに非日常的で特別な事であったか!

中の人(出演者)の場合、公演をその場で観る事は出来ないです。←当たり前か。

でも、稽古の苦しみと引き換えですが(^_^;),,,公演がどういう段取りで行なわれるのかを裏側からたっぷり楽しむ事が出来ます。

別世界の住人のようなソリスト達ともスグ間近で交流できちゃったりします。演出次第では劇の中で絡む事も出来ちゃう!

聖子ちゃんのようなスーパーアイドルではないのでプレミアム感はそれほど無いですけど、合唱人としてはプロのソリストの歌を至近距離で感じる事ができるのは得がたい経験です。

だってね、一人で我々アマチュア10人分くらいの音圧出せるし、ひとたび役に入ったならばその表現力たるやもう半端ない(*^_^*)♡

その威力をほんの数メートル圏内で感じる事ができるんですよ~✨✨✨

見るだけ(それでも十分特別だと思うけど)のオペラから体感するオペラへ。チャンスが有ったらやらない手はありませんよね。

出演者という中の人経験者の私・・・今回は観客として客席にいます。

開演を待つ客席にて

Zホール大ホールの舞台をパノラマで
Zホール大ホールの舞台をパノラマで

コロナ禍中ではあっても制限の無い公演だったので1000人以上の観客が席を埋めました。私もその中の一人。開演を待つ高揚感が会場を包んでいました。

開演までまだ時間があるので「トスカ」についておさらいを。

「トスカ」は1800年のローマを舞台にした歌姫トスカと画家カヴァラドッシとの情熱的で悲しい恋の物語。
オペラは大体恋バナですよねー
ただし「トスカ」の場合、恋人関係であるトスカとカヴァラドッシ、横恋慕をしかけるスカルピアの主要3人全てが死んでしまうのです!
Oh!
ハッピーエンドじゃないんだ~(~_~;)
とはいえプッチーニの曲なので、美しいメロディーと妙なるアリアに期待しましょう。

幕の向こうでドキドキしながら開演を待っていた事を思い出し、幕が開いた時舞台から見える客席の事を想像しながら開演を待ちました。

「トスカ」開演

いきなり緊迫した音楽。久保田真澄さんの演じるアンジェロッティが逃げ込んだ教会で福井敬さんの演じるカヴァラドッシとやりとりをする場面です。素晴らしい歌と演技であっという間にオペラの世界に引き込まれていきます。

舞台の両サイドには日本語訳が表示されているのですが、お話のスジはおよそ勉強してきたので意味はともかく演者に集中して見守りました。イタリア語での上演ですから細かい意味は???ですが、演技と音楽から自然とお話は分かります。←ウソです(^^ゞ:字幕も盗み見てました!

そしてお待ちかね珠玉の名アリア

福井さんによる第1幕の「妙なる調和」、第3幕の「星は光りぬ」
野田さんによる第2幕の「歌に生き、愛に生き」

流石ですね~聞き惚れてしまう。
・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・

今回私の席はS席の前の方だったためホール鳴りが少なく楽しみが減ったけど、その分歌手の生の声を堪能できました。

私の席はここ

ホントは1階のA席最前列で良かったのだけれど、前から6列目のほぼ中央のS席をゲットできました。十分に良い席ですが、もう少し後ろのN列あたりが役者がよく見えて響きのバランスが良さそうだと感じました。

歌仲間が出演する合唱にも注目

忘れちゃいけないのは歌仲間がたくさん参加している合唱パート。

第1幕終盤のテ・デウム合唱
第2幕途中のカンタータの影歌合唱

もぉすごい良かった~
テ・デウムは綺麗にハーモニーが出来上がっていて(子供たち頑張ったね!)1幕のフィナーレにふさわしい荘厳さが伝わりましたし、2幕の影歌は遠くから歌が響いてくる感じがしっかりと伝わってきました。

3幕ではソロもありましたね!
合唱仲間でありZホール児童合唱団の講師でもある石川慶子ちゃんが3幕冒頭に牧童役で美しい調べを歌い上げれば
地元の合唱先輩、鈴木光さんは看守役で重厚なバスバリトンを響かせました。
二人とも流石!安定感バッチリの歌唱👏👏👏

歌っていない時の演技も洗練されていて登場人物になりきっていたし、助演の劇団「Zの風」さんたちも流石!イイ味を出していて最高!!

「椿姫」「ラ・ボエーム」より出番は少なかっただろうけれど、コロナのため限られた回数の練習であそこまで詰められたのはみんなの努力だよね!お疲れ様。そして、感動をありがとう。

ああ、ほんと出たかったよぉ(涙・・・涙)

最優秀ドキュン♡賞

今回、野田さん、福井さんを押しのけ最も私の心を掴み「最優秀ドキュン♡賞」を獲得したのは!!

スカルピア役の須藤慎吾さんです!

👏👏👏👏👏👏👏👏

登場してきた瞬間
コイツはラスボスだ!
と分らせてしまう圧倒的な存在感(*゚ロ゚)!!
※役柄はもちろんラスボスなワケだけど

魅惑的なバリトン♡
甘く、優しく、非情で、冷酷。

ああ!あんな風に歌えたなら、歌えたなら。
オレも頑張る!!!

カーテンコール

3幕
楽しい時間はあっという間
悲劇の幕は閉じ
私は心からの拍手を贈りました

カーテンコールの祝福の中
舞台に立つ皆さんの顔はとっても晴れやか!

残念ながらソリストさん以外はマスク着用での舞台だったので表情はよく読み取れませんでしたが、きっとみんな満面の笑顔であったでしょう。

コロナ禍でなければ
ブラボー!!
と叫びたかった

いや、舞台に立ちたかった。

地方の小さな町にオペラが来るという非日常
そのオペラに参加するという非日常
コロナ禍での舞台という非日常

その全てを濃密な2時間に凝縮した贅沢

参加する人と観る人、共に作り上げた「オペラ」に感謝。

その夜

天の川と夏の大三角形
天の川と夏の大三角形

いつもの様にお散歩。

とてもキレイに星が見え
天の川もはっきりと見えました。

トスカが最後に身を投げたのは明け方ですが・・・この星空のどこかにトスカとカヴァラドッシがいるような気がしたのでした。

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