加工屋泣かせの図面が多すぎるー悪い図面についての考察

2019年10月16日

部品加工を生業にしているので毎日が図面との格闘です。
そして最近頓に思うのは、読みづらい図面がとても多くなってきたという事。

図面通りに部品を作るのが商売ですから、どんな図面でも読みこなすのがプロってもんです。でも!図面書く人もプロでしょう?その図面を見てちゃんとその部品が作れるような図面書いてよ。って思うこの頃・・・

そもそも設計が間違っているのは論外ですが、図面の書き方によって引き起こされる不良もあるのです。そして、そのような図面がかなり多いのも事実なのです。

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例えばこんな図面が読みづらい

1.外形線と寸法線の太さが同じなためどんな外形かよくわからないやつ

CADで書いてるときは外形線と寸法線は色が違ってるからはっきり分るだろうけど、紙で図面を出力する時は大抵モノクロ。太さが違ってないと図面を見る方は外形をイメージしづらいのです。図面を書いているひとはモノの形が頭にあるからそんな図面でも分かっちゃう。だから何がダメなのか分からないのです。

CADの線設定で出力時の線の太さをしっかり設定しておけばメリハリの付いた良い図面になるのに。

2.基準位置が統一されていないやつ

基準は図面の中で統一されているのがスジですね。外形の右上に基準がある(そのように見える)図面なのに、左側からも寸法が入っていてしかも公差までついてたりしたらどうする?

外形はそこそこでいいから、端面からの距離がほしいよ~なんてのも有るから一概にダメではないけど。

3.中心からずれた位置に基準があるやつ

板物に多いかな。どこかの角基準じゃなくある部分(たとえば精度穴)が基準になっているもの。

悪くは無いけど、これが物の端っこにあると・・・外形寸法がはっきり示されていれば良いけど、基準から右と左の寸法を足して外形寸法になるやつなんかはカン違いして小さな方の寸法を足さずに材料を発注したりする。

加工屋の注意力を試すひどい図面だっ! と言ってみても後の祭り。図面悪くは無いけど優しくない。

4.寸法線が混みいっていて出所がわからないやつ

穴が多いやつとか旋盤物で段や溝の多いやつによく見られる。

全部の寸法を一遍に書かなくてもどうにかなるんじゃないかと思う。そんな図面に限って縮小されてFAXが来たりするんだ・・・

また、CADならではの間違いだけど、寸法を入れるときに間違ってC面の角を取ってしまったやつ。

C面の大きさ分寸法が短くなるのよ。気づけば良いけど、納品してからおかしいぞ!とか言われる事、結構多い。うちの不良じゃありませんよ!! はっきり言っときます。←でも作るときに気付よ。

5.丸っこいフォントで寸法が書かれているやつ

寸法の6,8,9などの判別に困る。

FAXでそんな図面が来たらとにかく自己判断せず聞く!
でも、ほんとに6に見える図面なのに8だったりする事があるから泣かせなわけよ。

6.熱処理とかメッキとかを図面内に書き込んであるやつ

そんなのに限って備考がたくさん書き込んである。いらない情報まで書き込んである。そして必要な情報を見逃す・・・。 図枠の処理欄とかにちゃんと書き込んでほしいよ。

ホントにひどいやつは処理欄空白なのにちっさな字で備考に書き込んであったりする。

7.社内独自の記号で図面を書いてあるやつ

大手企業の図面に多い。

処理を誰にも分からない記号で書いてある。備考にはご丁寧に指示書に従うように書いてある。図面だけ渡される我々はどうすればいいの?JISなり業界団体共通の記号にしてよ。

8.軸用公差と穴用公差の記号を混同しているやつ

旋盤物で外径寸法の公差をH7とか書いている図面がある。

公差のアルファベットを大文字で書くのは穴用の公差。穴用H7は0からプラス何ミクロンかの範囲を示す物だから穴じゃない軸の外径公差に使うのはおかしいでしょう。単純に書き間違ったとしても加工図面ではアウト! プラス公差にしたかったんだよ~なんて言われても、ちゃんと軸用公差でプラスを表す(たとえばp6とか)にしてください。

おまけ 公差を交差と書いてあるやつ

ものを作るとき、寸法を一定の範囲に収めなさいよ~というのが公差。ものが交わっていたりするのが交差。

パソコンで日本語を書いていると漢字力が激低下する。

ほぼ愚痴なのですが・・・

ざっと挙げてみてもこのくらいは。細かい事はもっとたくさんあります。

CADで設計、製図するのが当たり前になった今、見る人がわかりやすい図面を書くスキルはあまり求められなくなっているのでしょう。モデルを作ってレイアウトに当てはめて寸法を入れる。はい、できあがり。

CADの設定と能力によって2次元の図面は作られます。見やすい2次元図面を出力してくれるCADなら良いのですが、設定で見やすくしなければならないCADもあるため、どんな図面が見やすいのか分からなければ設定のしようもありませんね。

それから、今の設計屋さんは部品の加工経験が無いのでしょう。ぱっと見でモノの形が分からないような絵を書いたり、外形寸法が分かりづらい寸法の入れ方からそう感じられます。モノを作る人は外形が分からないと段取りを考えられないし、材料取りもままなりません。加工経験のある人ならそこはきちっと押さえて図面を書くはずです。私が就職したころには設計部門にもモノの分かる親分がいて、若い奴らが訳の分からない図面を書いたもんじゃ「こんなもんどうやって作れんだよ!」なんてドヤしてたもんです。また、そこをスルーして現場に出た図面にさえ加工の班長が同じようなクレームをしょっちゅう付けていましたよ。自分に加工経験が無くてもそうやって経験を積んで良い図面が書けるようになっていったんだと思います。

良い図面って何だろう

加工屋にとって良い図面とは

1.物の外形がはっきりわかること

外形線は太く、隠れ線はやや細く、補助線や寸法線は細く。

メリハリのある図面。分かりづらいところは抜き出して拡大、断面図にはハッチングを入れて断面形状が分かり易くする。そして三角法を間違えないこと←超重要!物の形が全然わからなくなるから。

2.外形寸法がきちんと入っていること

材料取りを間違えちゃうんだ。

細切れの寸法をみんな足さないと外形寸法が分からない図面はやだよ。さらに基準から両側に寸法が振ってあったりしたら・・・間違いのモトになるんだな。

3.キリ穴やタップの深さは引き出し線上で寸法指示されていること

径は引き出し線で、深さは図面上で寸法指示のように分けて書かれていると間違いのモトになりやすい。寸法線が増えて図面がごちゃごちゃになるし、穴などの要素がが多いほど判別しずらくなるから、M6深20とか、Φ10深30±0.1とか書いてあった方が加工者的には分かり易いのです。

4.寸法の基準がはっきりしていること

あちこちに基準がある図面は何を信じて作ればいいか分からなくなる時があります。そのモノがどのように使われるのか分かるような寸法の入れ方がしてあれば、作る方としては注意のしようがあるってもんです。

最低限、このくらいは気を使っていただきたいです。たいしたことではないでしょ?

パッと見てモノの形が分かり、きちんと寸法が読める図面ですよ。早い話それだけです。わが社でも図面を書きますが、分かり易い図面を書くように心がけています。寸法抜けは結構あったりしますが・・・

なんかまとまらないなぁ・・・言い足りないことだらけですから、また折を見て書いてみます。

※この記事は私の個人ブログ「ひまだれノート」からの転載です。仕事関連のブログはこちらの「部品加工屋の備忘録」にまとめていきます。

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